青森、岩手で養殖サーモンのブランド化が活発になり、業界では「サケ・マス養殖の戦国時代」とも呼ばれている。青森では青い森紅サーモン、海峡サーモンが人気を博し、岩手からも琥珀(こはく)サーモンが参入した。大規模生産する大手とは異なり、地元漁業者や自治体が主導していることが特徴だ。
脂肪分が少なく、味はしっかり、ほんのり甘さが広がる。こんな触れ込みの青い森紅サーモンは、青森県産業技術センター内水面研究所(十和田市)が開発した淡水養殖のニジマス。「青森で育つ、青森らしいサーモンを」という難題に、県主導で16年ほど前から取り組んできた。
雄と雌で掛け合わせたのは25パターン。ニジマスとイトウを交配させたら見た目は悪くなかったが、おいしくなかった。「試行錯誤の連続」と養殖技術部の前田穣部長は振り返る。たどり着いたのが青森県で100年以上前から養殖されていた青森系ニジマス(母)と大きな魚体が特徴のドナルドソンニジマス(父)の掛け合わせだった。
味に影響を与えるエサも大切…