「とにかく安くの日本」 三井住友FGの太田社長、競争力に危機感

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聞き手・細見るい
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 国内での新型コロナウイルスの感染拡大から約2年。欧米に比べて遅れている日本経済の本格回復は、いつごろになりそうで、何が課題となるのか。メガバンクのひとつ、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の太田純社長(63)に聞いた。太田氏は、コロナ禍で企業が背負った過剰債務の解消には今後2、3年はかかると指摘。生産性の向上や海外での事業展開が重要になるとの見方を示した。主なやりとりは以下の通り。

 ――コロナ禍で債務が過剰になっている企業が出てきています。

 「ようやく人の流れの制約が解除されつつあるが、対面型サービス業は打撃を受けており、回復にはもう少し時間がかかる。回復の見込みがあり、きちんとした将来像と戦略を持っているところはしっかりと支援したい。ただ、もともと構造的に苦しくて単に延命している企業もある。切り捨てるのではなく、ちゃんとお客様と話して一番いい行く末を決めていく。債務過剰問題は2~3年かかって解消していくことになる」

 ――欧米の中央銀行がコロナ対応で始めた金融緩和の縮小に向かうなか、日本銀行はコロナ対応を続ける方針です。

 「日本は打つ手が限られる。一番の問題は国家財政。これだけ国が債務を抱えていると、金利が上がると財政破綻(はたん)するかもしれない。金利を上げる方向にはなかなかいけず、このマイナス金利は当面続くとみている」

 ――銀行にとっては厳しい経営環境が続きます。

 「金融機関のビジネス規模は経済活動の規模に比例するので、人口が減っている日本市場は伸びていかない。構造的な苦しさがある。(コロナで)いろんな補助金が出ているが、使われず預金になっていることも問題だ」

 「日本は金融機関の数も多すぎる。(競争によって)金融の質が上がるのであればいいが、そうなっていない可能性がある」

 ――欧米に比べ、企業の生産性の低さも指摘されています。

 「日本企業は生産性を向上させて人員に余裕ができても、クビを切らずにコストとして抱えている。マーケットの変化とか構造変化を企業が全部受け止めているところがある。日本の特質性、企業風土もあり、あまり極端な規制緩和は起こらないが、例えば、セーフティーネット(安全網)をきちんとつくったうえで労働力を流動化するなどすれば企業の生産性は上がってくると思う」

 ――企業が商品の価格に転嫁できないという問題も改めて注目されています。

 「米国では原材料費の高騰を企業が製品価格に転嫁しているが、日本は『とにかく安く』という考えがあって転嫁できていない。その分は企業が負担している。日本では、部品メーカーなんか圧倒的に競争力がなく、納入先との力関係もあってなかなか価格を上げられないという悩みをよく聞く。(競合との)競争が激しく、自分たちだけ上げるわけにはいかないという構造的な要素もある」

 ――SMFGをどう成長させ…

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