第2回うちのタワマンは「タテの長屋」 つながり作りへ37歳住民の奮闘記

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松山紫乃
【動画】住まいのかたち
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連載「住まいのかたち」②

 憧れていた「湾岸のタワマン」に暮らし始めた4年前、菅谷武史(すがやたけふみ)さん(37)はあまりの便利さに驚いた。でも、隣人と顔を合わせることは少なく、近所付き合いもない。「せっかくなら血の通ったマンションにしたい」。菅谷さんは、行動に出た。

     ◇

 東京の北西にある羽村市の一戸建てで生まれ育った。多摩川が流れ、家の周りは緑があふれる。夏には町内会の祭り、冬には餅つき大会があり、大人たちは準備に走り回っていた。

 大学を出て就職すると、転勤で石川や愛知に暮らした。8年前に転職して東京に戻り、いまのIT企業の営業職に就いた。

 拠点は定まったが、今度は国内外への出張が増えた。

 そこで見つけたのが、築13年の43階建てタワーマンションだった。高層階から遮るものなく見渡せる東京スカイツリー、棟内のコンビニや共用施設など整った設備、そして羽田空港まではバスで30分。「独身の今しか、そんな暮らしは試せない」

 高層階には手が届かなかったが、収入や貯金と相談して「ここなら」と探し出したのが、12階の1LDK。やがて共働きの妻(34)という家族も加わった。

連載「住まいのかたち」

2021年もステイホームの暮らしが続きました。多くの時間を過ごす「住まい」とは、私たちにとってどういう存在なのか。様々な「家」を舞台に、そこに住む人たちの姿を通して豊かな暮らしのヒントを探ります。

 2500人超が暮らすタワマンで他の住人と接するのは、年2回の防災訓練だけだった。羽村では当たり前だった隣近所との行き来もない。「もっと自分のマンションに興味を持ち、好きになってもらいたい」。そのためにはどうすればよいか。

「資産価値」の形成にも

 手始めに管理組合の理事会に…

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