第2回佐渡裕さんが深夜に炒めるタマネギ 貧乏時代を支えた誠実なココット

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山内深紗子
【動画】ココットをつくる佐渡裕さん=白井伸洋撮影
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 家族も寝静まった深夜、ウィーンのアパートで、譜面を片手にタマネギを炒める。2時間かけてあめ色になるまで。心が静かになる。世界のオーケストラを指揮する佐渡裕さん(60)には欠かせない時間だ。

 タマネギは冷凍して、カレーやオニオンスープに。娘や妻、時に数年前から交流を深め、ショパン国際ピアノコンクールで2位になったピアニスト反田恭平さん(27)ら音楽仲間など、大切な人たちとも分かち合ってきた。

 料理を作るようになったのは、客演指揮者としてフランスイタリアを拠点に欧州を旅するようになった30代前半だ。

 留守にする前の冷蔵庫の掃除を兼ねて、ジャガイモやニンジンなど残り野菜と肉で、パスタやスープ、カレーを作るようになった。食とは「人とのつながり」だと思う。

 印象深いのは、初めてプロ契約したフランス・ボルドーで下宿先のおばちゃんが作ってくれたココットだ。

 骨付き肉とくし切りしたタマネギとごろんとしたジャガイモ、時にニンジンやセロリ。これらをバターで炒め、白ワインを加え、重い厚手鍋で弱火でことこと煮込む。最後に塩コショウで自分好みに味を調える。

佐渡裕さんのココットのレシピ

【主な材料・4人前】

スペアリブ550グラム、タマネギ中2個、ジャガイモ中3個、バター30グラム、オリーブ油大さじ1、小麦粉大さじ2、白ワインと水各300ミリリットル、ブーケガルニ1袋、ロリエ1枚、塩、コショウは好み、ニンニク2かけ

【作り方】

肉に塩コショウをして小麦粉を表面にふる。

ジャガイモは芽を取り除き、皮付きのまま4等分に切る。

タマネギはくし切りに。厚手の鍋にバターを溶かし、肉の表面を強火で焼き付け取り出す。

オリーブ油を加え、タマネギとジャガイモを炒め肉を鍋に戻して、ブーケガルニとロリエ、ニンニク、白ワインと同量の水をひたひたになるまで入れ弱火でふたをして煮込む。

50分ほどで味見をして塩コショウをして好みの味に。

     ◇

 えっ? フランス料理ってこんなに簡単だった? 意表をつかれた。口にふくむと「シンプルなのにやさしく深く誠実な味がした」。

 20代後半に留学したウィー…

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