東海大バスケ部、新キャプテンたちのうれしい決断(リクさんの目)

有料会員記事

構成・野村周平
[PR]

リクさんの目

 高校生を見る時は体格や技術、能力はもちろん、人間性に注目します。劣勢の時にどんなプレーをするか。ベンチでの姿や、仲間への声かけ。そんなところに目線が行きます。

 教え子のザック・バランスキー(現・アルバルク東京)を東海大三高(現・東海大諏訪高)時代に見た時のことです。彼が交代でベンチに下がった後、コートへ出て行った選手のTシャツをきちんとたたんでベンチに置いていました。たったそれだけのことですが、「ああ、いい子だなあ」とますますうちに来てほしくなった。

 私は大学では「技術の山」と「心の山」、この二つの山を越えた先に夢を実現できる、と伝えています。人間性を磨くことは、バスケを続けても、社会人になっても、とても大切な要素になってきます。

東海大男子バスケットボール部の陸川章監督は、日本代表キャプテンまで務めた名選手ですが、指導において自身の経験を選手に押しつけることがありません。「リクさん」と慕われる大学バスケ界の名将の新コラム。今後も随時お届けします。

 24日にあった全国高校選手権(ウインターカップ)の1回戦。来年から東海大に入る宇都宮工(栃木)の君座武志くんを見に来ました。

 188センチ、91キロ。まるでラグビー選手のような体格の持ち主です。強気のプレーができるし、あのフィジカルは教えることができない。将来的には今の4年生の佐土原遼(今年の全日本大学選手権得点王)のような選手に成長してくれると期待しています。

 今年のウインターカップに出ている高校3年生で、うちにくるのは彼1人だけ。無名選手ばかりですが、だからこそ大学の4年間でどれだけ伸びるのかが楽しみです。

 今年の東海大はスター軍団といわれました。高校時代から注目されていた大倉颯太や八村阿蓮らがいたからですが、私は彼らに「私はそうは思わない。君たちは努力する人だ」と伝えました。

 連覇を目指した大学選手権では、決勝で白鷗大に敗れました。それでも、阿蓮たちは相手の選手と抱き合い、彼らの勝利をたたえていた。その姿を、周りの方々から「すがすがしい」と褒めて頂きました。

 彼らにとってインカレは通過点であり、ゴールではない。だからこそ、彼らはこの悔しさを糧にして、この先も努力することを忘れないでしょう。

大倉は「ヘッドコーチ」だった

 実はインカレのあと、いくつかうれしいことがありました。

 阿蓮のお礼を伝えようと、出…

この記事は有料会員記事です。残り1108文字有料会員になると続きをお読みいただけます。