飯塚繁雄さんをしのぶ 体調崩してもトランプ氏らとの面会に尽力

編集委員・北野隆一
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 北朝鮮に拉致された田口八重子さんの兄で、18日に83歳で亡くなった飯塚繁雄さんについて、田口さんの長男の飯塚耕一郎さん(44)が25日、東京都内で記者会見した。繁雄さんについて「八重子さんと会わせることができなかったのが心残り」と語った。

 繁雄さんは2007年に拉致被害者家族会の代表に就任。今年12月に横田拓也さん(53)に引き継ぐまで14年間務めた。4年ほど前から体調を崩し、集会や記者会見の途中退席が増えた。トランプ米大統領と17年に東京の迎賓館で面会した際も「直前まで控室で横になっていた」という。しかし「責任感が強く、要人と会う機会は無理をしても出席することが多かった」と耕一郎さんは振り返る。

 「仕事をしないと拉致問題のことばかり考えてしまう」と言い、工場関係の仕事を今年10月まで続けた。

 11月13日に拉致問題の集会に出席した後、18日に入院。間質性肺炎のため酸素マスクをつけ、会話が困難な状況となると、病床で紙に「家族会 横田拓也」と書いた。見舞いに来た耕一郎さんから「拓也さんに代表をまかせたいということ?」と聞かれると、うなずいたという。紙には「八重子」とも書き、拉致された妹を最後まで気にかけていたという。(編集委員・北野隆一