ラグビー「静岡ブルーレヴズ」、地域に密着 県西部4市と協定

大平要
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 来年1月に開幕するラグビーの新リーグ「リーグワン」に参加する静岡ブルーレヴズ(本社・磐田市)が、地域密着の戦略に力を入れている。25日には本拠地の一つエコパスタジアム(袋井市)で、県西部の4市とパートナー協定を結んだ。ファン層を広げ、経営を早期に軌道に乗せる狙いもある。

 協定を結んだのは、浜松、磐田、袋井、掛川の4市。各市が取り組むスポーツ振興、青少年の育成支援、地域振興の各分野で、チームが協力する内容だ。同様の連携協定は、静岡県とも結んでいる。

 4市長と並んで締結式に臨んだ運営会社の山谷拓志社長は具体策として、選手と子どもたちとのふれあいや地場産品のPR、共同でスポーツ施設をつくることなどをあげた。「地域のため(チームや選手を)使い倒して欲しい」と述べた。

 新リーグの構想は、日本でラグビーワールドカップ(W杯)があった2019年に浮上した。企業スポーツとして行われてきた「トップリーグ」に代わり、地域との連携を強める狙いで参加チームには本拠地を定めることが求められた。

 15年のW杯イングランド大会での健闘や19年W杯でラグビー人気は盛り上がったが、その後も定着したとは言いがたい。ラグビーはサッカーや野球と比べ競技人口やファンが少なく、ラグビー関係者は「プロスポーツとして成功するには、サッカー・Jリーグのような地域との連携が課題だ」と口をそろえる。

 ブルーレヴズの前身の「ヤマハ発動機ジュビロ」は長年、企業のクラブチームとして活動してきた。15年W杯で脚光を浴びた五郎丸歩選手が在籍していたなど人気チームだが、事情は同じ。リーグワン参加に向け、今年6月に100%出資の子会社を設立。同社が出資するJリーグの「ジュビロ磐田」を参考に本体の経営と切り離し、自力で稼ぐ体制づくりを急ぐ。

 プロスポーツチームは、主に集客によるチケット収入やグッズ販売、スポンサーからの収入で運営される。地域連携の狙いについて山谷社長は「何といっても集客だ」と話す。

 「オールフォー静岡」を掲げ、チーム名には静岡を入れた。ヤマハ発動機の広報担当者は、「会社名や『ジュビロ』を外したのも、特に県の東部、中部のファンを増やすためだ」と明かす。サッカー王国の静岡では「『ジュビロ』は磐田のチーム」と思われてしまうからだ。連携協定は今後、県中部や東部の自治体にも広げる考え。新会社設立後、物流会社の鈴与(静岡市清水区)など、県西部以外の企業もスポンサーに名を連ねた。より多くの地域と連携することは、スポンサー収入の拡大にもつながりそうだ。

 一方で選手は、これまで通り、シーズンオフを中心にヤマハ発動機の工場や管理部門での仕事も続けている。広報担当者は「職場の仲間として応援する形は、チーム名が変わっても変わらない」という。(大平要)

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 〈静岡ブルーレヴズ〉 前身のヤマハ発動機ジュビロは1982年、社内の同好会として活動をはじめ、84年にラグビー部として創部。2003年にトップリーグに参入し、15年には日本選手権で優勝した。22年からの新リーグ「リーグワン」に向け、今年6月に運営会社を磐田市に設立。静岡県全体をホームタウンと位置づけている。エンジンの回転数を意味する「レヴズ」には「情熱をかき立てる」との思いを込めた。