山田洋次監督が語る「幸福の黄色いハンカチ」もう日本で撮れない理由

有料会員記事

聞き手・林るみ
[PR]

 今年で第45回となる日本アカデミー賞の最優秀作品賞のなかから、「今、見たい作品は?」と朝日新聞beモニターの皆さん1896人に昨年アンケートをしたところ、1位になったのは第1回受賞作「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」(1977年公開)でした。山田洋次監督(90)とヒロインを演じた倍賞千恵子さん(80)に名作にまつわる秘話を聞きました。2回にわたってインタビューをお届けします。

におうようないい男、健さん

 ――映画制作のきっかけは、倍賞千恵子さんから、ドーン(米国のポップスグループ)のヒット曲「幸せの黄色いリボン」の歌詞の内容を聞かれたことだそうですね。刑期を終えた男が、故郷の恋人に出した手紙について歌ったものです。

 彼女にその話を聞いたとき、僕の頭の中にすーっと絵が浮かんだんです。一面の麦畑のはるか彼方(かなた)に1本の樹(き)があって、その樹には黄色い花がいっぱい咲いている。リボンの。このようにクライマックスシーンの映像が形になって浮かぶとき、映画はうまくいく場合が多いです。

 ――刑期を終えた主人公・勇…

この記事は有料会員記事です。残り3353文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【7/11〆切】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    菅野志桜里
    (弁護士・国際人道プラットフォーム代表)
    2022年1月14日15時44分 投稿

    【視点】山田監督に初めて出会ったのは、たしか12歳か13歳のころ。以降、大学入学、検事任官、初当選、息子の出産、人生の節目で折々にお会いして、そのたびに静かなエールをもらいました。ただ一度だけ、監督をとてもがっかりさせてしまった人生の選択があって、