第15回国家に消された俺のデータ 出生記録すら存在せず…衝撃と焦りと意地

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マイアミ=岡田玄
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連載「それでも、あなたを」ベネズエラ編②

【ベネズエラ編①】国中が停電した夜、別れを決意した私 憧れだった彼は弾圧で墜ちた

ベネズエラの女性建築デザイナー、アンドレリスは恋人が反政権運動に参加し、狙われるようになったことから出国を決意し、娘と米国にやってきます。待ち受けていたのは、最低賃金以下で働きづめの生活でした。

 2019年夏、マイアミ。メラニオと別れてベネズエラから移住した30歳のアンドレリスは、働きづめだった。1歳半の娘アリシアを食べさせるためだ。

 最初は友人の家に間借りしていたが、「他人に甘えるのは、自分ではない」と思い、家を探した。

 家賃が比較的安く、何よりも保育園に近いという理由で選んだアパートは、リトル・ハイチと呼ばれる地域にあった。ハイチ系の移民たちが集まった場所だ。

 アメリカの都市は、通りが一つ違うだけで、治安は大きく変わる。自宅の周りには、薬物中毒の人たちが寝そべり、路上には注射器が転がっていた。

 アンドレリスは、そこを自転車で毎日走り抜けた。保育園のお迎えが遅れると、1分ごとに1ドル(約114円)の追加利用料を支払わないといけなかった。レースのように、必死で自転車をこいだ。

 朝は7時からファストフード…

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連載それでも、あなたを 愛は壁を超える(全41回)

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