野洲のセクシーはチャラくなかった 選手権再びの制覇へOBの挑戦

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この連載は金子智彦が担当しました
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高校サッカー100回 関西の記憶(下)

 「全国選手権史上最も美しいゴール」が生まれたのは、2005年度の第84回大会決勝だった。

 素早いサイドチェンジ、ドリブルからのヒールキック、ワンタッチのスルーパスで敵陣を攻略し、クロスに中央で合わせた――。

 トリッキーかつ流麗なプレーの連続で相手を翻弄(ほんろう)する「セクシーフットボール」。全国約3940校の頂点に立った野洲(滋賀)のスタイルは、同年代から羨望(せんぼう)のまなざしを浴びる一方、長髪や腰パンといった外見も相まってか、個人技に秀でた集まりが勢いで優勝した――という評価もついてまわった。

 だが、そういった見方を本人たちは否定する。

 東京・国立競技場での決勝で決勝点を決めた瀧川陽(34)は、母校のコーチに就任した2年前、瞬発的な小技を自慢する選手に“軽さ”を感じた。

 「ただ、ただチャラい。ティックトックみたいや」

 当時主将の金本竜市(34)も「優勝は下積みされた努力の結晶。(自分たちには)その積み重ねがあった」。日々の練習は「戦争」で、削り合いは当たり前。パスが想定と逆の足に来たら「はあ? 何考えてんねん」。怒って途中で帰る部員もいた。

 関西勢が全国選手権の優勝から遠ざかって、はや10年。野洲もこの5大会は滋賀代表の座を逃している。金本は「セクシー」のイメージが先行し、地道な努力を敬遠する選手が多いと感じるという。瀧川も「『戦争』の土台がないから、いざ試合になると打ち負かされる感じだった」。

 近年の選手権常連校に共通す…

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