知っていますか? 教育費の負担を軽くしてくれる仕組み

久永隆一
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 子どもも、保護者も教育費の高さに悩まされることがあります。国や自治体は学校にかかる費用を軽減する仕組みを用意しています。

 教育費は基本的に「授業料」と「それ以外」に分けられ、別々に補助の制度があります。利用には、世帯の所得基準を満たすことと、申請が必要です。主なものを紹介します。(2021年12月時点)

 ――小学校と中学校では、どんな負担軽減の仕組みがありますか?

 まず、授業料については小学校と中学校は義務教育なのでかかりません。ただ、制服やランドセルといった通学に必要な物は基本的に各家庭の負担です。

 そこで、授業料以外の負担を軽くするために「就学援助」があります。所得が少ない世帯が利用でき、生活保護を利用する家庭と、市区町村ごとで決める基準を下回る所得の家庭が対象です。

 ――就学援助はいくらですか?

 自治体ごとに金額が異なることがあるので、全国一律にいくらとは言えません。ただ、国は目安の単価を示していて、制服やランドセルのように「新入学向けの学用品など」は中学校で6万円(21年度)としています。文部科学省は「国の目安と同等かそれ以上の補助をしている自治体が多い」(担当者)としています。

 ――学用品は前もって買いそろえる必要がありますが、入学前でも就学援助は利用できますか?

 文科省の調査では、新入学の児童や生徒を対象に入学前に補助している自治体は全国の8割です(21年度)。裏を返せば、まだ2割はそうした運用をしていません。どちらの運用にしているのかは、それぞれの自治体に確認することが必要です。

 ――高校では授業料がありますが、どうなっていますか?

 義務教育と違って、高校は授業料が存在しますが、通学先が公立でも、私立でも、授業料を補助する「高校等就学支援金」があります。

 ――高校等就学支援金の具体的な内容は?

 利用には世帯収入の基準を満たす必要があります。家族構成によって基準額は変わります。

 例えば、夫婦どちらかが働いていて、高校生と中学生の子どもが1人ずついる4人家族の場合です。世帯年収で約910万円未満であれば、国公立で年間11万8800円が支給され、授業料の負担は実質ゼロになります。同じ構成の4人家族の場合、私立は「年収約590万円未満」で同39万6千円、「590万~910万円未満」で同11万8800円です。

 今回のコロナ禍のように、家計が急変しても、就学支援金の支給額に反映されるまでタイムラグがあります。そこで都道府県などで同等の支援を行う場合があります。

 学校によっては、先に授業料を全額徴収してから、後で就学支援金の対象者に差額を返す運用のところもあります。低所得世帯にとっては一時的な立て替え払いは家計を圧迫するので、課題です。文科省もこうした家庭への「格段の配慮」を学校側に求めています。

 ――高校でも授業料以外の教育費を補助する仕組みはありますか?

 「高校生等奨学給付金」があります。対象は、生活保護世帯と住民税が非課税の世帯です。家計が急変して非課税相当になった世帯も利用できます。

 こちらも家族構成によりますが、夫婦どちらかが働いていて、高校生と中学生の子どもが1人ずついる4人家族なら、世帯年収で約270万円未満が非課税相当の世帯となります。通う高校の種類などによって、もらえるお金が異なります。

 ――大学の場合はどうなっていますか?

 大学のような高等教育機関に通う人には「修学支援新制度」があります。住民税が非課税の世帯または、それに準ずる所得の少ない世帯が利用できます。

 大学が国公立か私立か、さらに自宅通いかどうか、といった条件の組み合わせで、支給額が異なってきます。

 例えば、私立大学へ自宅以外から通う大学生の場合、入学金は約26万円、授業料は約70万円、給付型奨学金は約91万円が支給されます。授業料とそれ以外の費用の両方をサポートしてくれる仕組みといえます。(久永隆一)