容疑者宅から接着剤押収 通院時に消火栓工作に使用か 大阪ビル放火

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 大阪市北区の雑居ビルで17日発生し、25人が死亡した放火殺人事件で、大阪府警は容疑者の男の住宅で接着剤を発見し、押収した。現場クリニックの消火栓の扉は開けにくいよう工作されており、府警は押収した接着剤が使われた可能性があるとみて分析する。

 工作は事件前に行われていたが、診療時間外のクリニックへの侵入は確認されていないことが判明。府警は男が自身の受診時に計画的に工作したとみている。

 殺人などの疑いがあるのは住所、職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)。捜査関係者によると、現場となったクリニックに2、3年前から通院していたという。

 府警は事件後、谷本容疑者が滞在していた大阪市西淀川区の住宅を家宅捜索し、クリニックから処方された薬の袋や、「消火栓をぬる」などと手書きされたメモに加え、接着剤を押収した。クリニックの現場検証では、消火栓の扉の隙間にコーキング剤のようなものが施されていたことを確認。府警は、押収した接着剤と同じ成分の可能性があるとみて分析する。

消火栓 防犯カメラの死角

 府警によると、院内には防犯カメラがあるが、消火栓の位置は死角になっていた。ただ、消火栓の場所は診察室などに向かう際に目につくといい、工作された経緯をさらに調べている。

 捜査関係者によると、クリニック内外には防犯カメラがあり、警備システムも導入されていた。事件前、夜間など診療時間外の侵入者はこれまで確認されていない。府警は、谷本容疑者が患者として来院した際に消火栓の扉の工作をし、事件への準備を進めていたとみている。谷本容疑者は以前、板金工として働いており、コーキング剤といった材料や作業に通じていた可能性がある。