非日常ならではの意識と工夫、白か黒では分けられぬ 関西美術の一年

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田中ゑれ奈
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 寄せては返す感染拡大の波に、今年も多くの展覧会が中止や縮小に泣いた。長期戦に突入した非日常だからこその問題意識や創意工夫が、関西などでも目立つ一年だった。

 新館長を迎えた金沢21世紀美術館と6月にリニューアルオープンした滋賀県立美術館では、くしくも同じ「あわい」という言葉を冠したグループ展が開かれた。コロナ禍で変容するコミュニケーションのありようを見つめ、白か黒かで分けられない人間や社会の機微を描く試みだった。

 海外作家の来日がかなわない中でも、いくつかの重要な個展が実現した。大阪・国立国際美術館ミケル・バルセロ展は国内初の大規模個展。京都国立近代美術館のピピロッティ・リスト展では、作家と現場のスタッフチームがリモートで綿密なやりとりを重ね、没入感に満ちたインスタレーションを構成した。石川・奥能登国際芸術祭でも、現地で制作できない海外作家の代わりに地元住民らが展示作業を担うなど、国際芸術祭としての可能性が追求された。

 高島野十郎や小野田實(みの…

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