紅白の組分け「出身地の東西や登場順も検討」 制作統括インタビュー

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聞き手・野城千穂
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 今年の第72回紅白歌合戦は、紅組と白組の司会の仕組みが変更されたり、ロゴの赤と白の境目があいまいになってグラデーションになったりと、変化が見られる。昨今では紅白を男女で分ける方式に疑問の声も上がっているが、制作の舞台裏で何が起きているのか。制作統括の一坊寺(いちぼうじ)剛(ごう)さん(46)に、「紅白」の今を聞いた。

「紅組司会」「白組司会」を無くしたのは

 ――今年の紅白のテーマは「Colorful~カラフル~」で、紅組司会と白組司会という呼び方を無くして「司会」で統一しました。一方で、出場歌手は基本的に従来通り男性が白組、女性が紅組で分けられているようです。「カラフル」を掲げるなかで、紅白の分け方は検討されたのでしょうか

 これについては、本当に僕らは、今年だけではなくて前々からずっと議論しています。

 まず「カラフル」というテーマにしたきっかけですが、この2年間、新型コロナウイルスがこれだけはびこって、彩りが失われた社会になってしまったところに、ちょっとでも彩りをと考えました。色んな色があって、赤と白もその一つ。全ての色が彩りを作って、それがあるから素敵な明るい社会になっている。それをちょっとでも取り戻せたらいいなと考えました。

 司会については、今更ですけど僕ら、気づいてしまいまして。紅組司会が「白組には負けないぞ」、白組司会が「紅組に勝つぞ」と言ってある種の対立構造をあおるような構造は、この時代ではちょっと違うのではないかと。

 かつてはステージの下手側に紅組、上手側に白組と分けて、いわゆる戦う構造がひとつのスタイルになっていました。でもだんだん、司会の役割がそんなに分かれなくなって、僕らも改めて原点に気づいた。男性であれ女性であれ、みんなが同じく歌を通じた最高のパフォーマンスをお届けし合う紅白というステージで、司会は戦いをあおるのではなく、「全部いいんだから全部いいじゃない。それを僕らは応援しようよ」という立場になってほしいと思いました。

 一つの同じ場所で素晴らしい歌手の皆さんが集う、性別も年齢も全てを超えた場所を用意するのが僕らの役割だと思っています。

 紅組と白組の分け方も、本当に、すっごく研究したんです。どういう分け方があるのか、そもそも分けない方がいいのか。

 ただ、紅白歌合戦と称して70年にわたってやってきて、なじんでいるスタイル、一つの様式美になってしまったところがあります。それを期待し、楽しみにされているお客様もいます。

どう分けても「なんで?」が出てくる

 今はテレビのリモコンでも投票できますし、会場の皆さんも投票できる。これらは、紅白に参加するツールでもあります。そうした意味では、これまでの(出場歌手を紅白に分ける)スタイルは踏襲し、それを楽しみにしてくださる方にお応えできるようにすることは、やったほうがいいと考えました。

 じゃあ、どう分けるんだという話ですが。結局、どう分けてもなにがしかの「なんで?」というのが出てくるんです。

 ――具体的にどんな「研究」を

 議論の細部については色々と差し障るところがあるのであまり詳しく申し上げられませんが、今までやってきたスタンスにとてもシンパシー(共感)を抱いてくださっているテレビをご覧のみなさんが多いことも改めて分かりました。

記事の後半では、男女に代わる紅組・白組の分け方について具体的にどんなシミュレーションをしたのか、そして未来の紅白はどうなっていくのか、話をうかがいます

 男女で分けるというスタイル…

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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2021年12月31日21時33分 投稿
    【視点】

    ■モヤモヤするインタビューの行間を読み取れ  iPadでNHK+で紅白を見つつ、このコメントを書いている。野城千穂記者の問題意識が光る良記事である。紅白の制作統括担当対して、紅白とジェンダーの問題に斬り込んでいる。いかにも批判ありきの質問