石油の国家備蓄放出第一陣 備蓄量の0.2%、3月20日以降に売却

長崎潤一郎
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 経済産業省は27日、石油の国家備蓄の0・2%にあたる約10万キロリットル(63万バレル)を売却すると発表した。国家備蓄を放出するのは初めてだ。米国やインドなど主な消費国による協調放出の一環で、供給量を一時的に増やして価格を下げるねらいがある。

 売却するのは、鹿児島県の志布志国家石油備蓄基地(東串良町および肝付町)の原油で、同日から手続きを始めた。2月9日に入札し、引き渡しは3月20日以降を予定している。売却先は石油元売り会社や商社を想定している。

 米バイデン政権は11月、5千万バレル(約800万キロリットル)を放出し、日本や中国、インドなども協調すると発表。日本政府も国家備蓄の売却方針を決めていた。数日分の消費量にあたる数十万キロリットルを売る予定で、今後も追加で入札を行う。

 国家備蓄は今年10月末時点で145日分(約4500万キロリットル)ある。目標の約90日分を上回っており「余剰分」の一部を売る。

 石油備蓄法では、備蓄の譲渡は紛争による供給不足や災害時に限り、原油価格を下げるための放出は想定していない。このため経産省は、今回は放出ではなく定期的な入れ替えに伴うものだと主張している。

 コロナ禍からの回復期待などで、原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は10月下旬に約7年ぶりの高値を付けた。新型コロナウイルスオミクロン株による感染拡大への懸念から、足元での先物価格は高値から1割程度低い水準で推移している。(長崎潤一郎)