「人間の尊厳無視」 ウィシュマさんの映像、参院で開示

編集委員・北野隆一
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 スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが収容中に死亡した問題で、出入国在留管理庁は27日、生前のウィシュマさんを映した監視カメラ映像を参院法務委員会の議員らに開示した。映像を見た野党筆頭理事の有田芳生氏(立憲民主党)が記者団の取材に「聞きしにまさる異様なビデオだった。入管人間の尊厳を無視し肉体を破壊する様子をまざまざと見た」と語った。

 開示は24日の衆院法務委に続くもの。データが残る2月22日から亡くなった3月6日当日までの13日分295時間の映像を約6時間半に編集した。

 有田氏によると、ウィシュマさんは倒れたまま起き上がれず、少なくとも18回「看守さん」と呼びかけたが、職員はなかなか近寄ってこなかった。亡くなる2日前の3月4日、首もすわらずぐったりするウィシュマさんを、職員2人が見下ろしたまま何もしない場面もあったという。

 有田氏は「普通の人間なら危ないと思うはずの状況。職員はどう報告したのか。国会で集中審議を開き、看守日誌などの公開を求めたい」と語った。

 入管庁側から聞き取った有田氏によると、2007年以降、入管施設で17人が死亡したが、報告書が作成されたのは5件。自殺者については「心理の流れがわからない」という理由で作っていないという。政府が再提出をめざす入管法改正案について有田氏は「ウィシュマさんの死因もいまだに不明のままだ。原因を解明し、入管のあり方を抜本的に解決しないのに改正案を認めていいのか。徹底的に吟味しなければならない」と語った。(編集委員・北野隆一