トイプーのおこげ、元気です 人と動物が「共に生きる」社会願う

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岩本修弥
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 今月中旬、取材先に一本の電話を入れた。ずっと気になっていたことがあったからだ。

 「おこげ、元気にしていますよ。また少し、大きくなりました」

 電話越しに、中学校教諭の宇都宮和史さんが明るい声で言った。ほっとした。

 「おこげ」は、茶色い、小さなトイプードルだ。4月、表六甲ドライブウェイの頂上付近で道路の隅に捨てられていたのを、通勤途中だった宇都宮さんに拾われた。やせ細って真っ黒に汚れ、顔が見えないほど毛に覆われていた。生後5カ月ほどだった。

 学校の技術室へ連れて行き、同僚の買ってきたドッグフードをあげると、ものすごい勢いで食べた。

 放課後に行った動物病院で、ただの迷子犬ではないことが判明する。両方の後ろ脚や前脚に粘着テープのようなものが巻かれていたことがわかった。痛かったのだろう、テープには小さな歯形がいくつも付いていた。医師のすすめで、すぐに最寄りの兵庫県警葺合署に相談した。

 虐待され山に放置された疑いがあり、事件の「証拠品」となったおこげ。すぐに元飼い主は判明した。体に埋め込まれたマイクロチップの記録からだった。

 署は動物愛護法違反容疑で元飼い主を書類送検した。「しつけがうまくいかなかった」。捜査関係者によると、署の調べに、捨てた理由をそう説明したという。

 所有権が放棄されたことでおこげは「拾得物」扱いに。5月、宇都宮さんの家族の一員になった。

「一匹でも多く飼い主の元へ」全国初の施設オープン

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