第1回今こそ未来を語ろう 樹齢100年の森が過疎の村に教えてくれたこと

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河崎優子 興野優平、竹野内崇宏、真野啓太、高久潤
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 まっすぐに伸びた太い幹は、節が残らないように20~30メートルの高さまできれいに枝打ちされている。木々の間からは星空が見えた。

 岡山県西粟倉(にしあわくら)村の樹齢100年の森。2005年、村長だった道上(みちうえ)正寿さん(71)は、森を育ててきた先祖の存在を感じた。

 「目の前に見えとる問題なんてくだらん。もっと遠くを見んと。昔の人の知恵を今、授からにゃいけん」

 前年、村は合併をせず、単独で残る道を選んだ。当時の人口は約1700人。兵庫、鳥取との県境にあり、林業を支えとする村には、これといった特色もない。輸入木材の影響で木材の価格は下がり続け、若者は村を出て行く。道の駅の観光施設も赤字。コンサルティング業者も交えた話し合いで村人は「村には何もない」「どうにもならん」とこぼし、議論は行き詰まった。

 コロナ禍で先行き不安が増す中、「未来」への関心が高まっています。未来をどうデザインしていけばいいのか。過去の「遺産」と向き合うことで未来を切り開いた、過疎の村の歩みを手がかりに考えます。

 何かに迷ったらいつも行く樹…

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