駒沢大・田沢廉が流した一度だけの「涙」 中学時代の恩師は誓った

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山田佳毅
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 空気がおいしい。

 駒沢大のエース、田沢廉(れん)(21)が通った是川(これかわ)中学校は、青森県八戸市是川の市街地から南、山や田んぼ、新井田川とその支流に囲まれた、のどかな場所にある。

 稲が刈られ、雪が積もるのを待つ田んぼを縫うように走る舗道が、中学時代の田沢が毎日のように駆けたロードコースだ。

 「ちょうど1周が1・3キロあるんだ。足に負担がかかりすぎないように、草の生えた土手の道を走らせることもある。それだと1・2キロになるかな」

 そう話すのは、同中学校陸上部で長距離をボランティアで教える、風張(かざはり)清志さん(70)。田沢が中学に入学した年から指導を始め、まもなく丸9年になる。

2022年1月2、3日に行われる第98回箱根駅伝で、最も注目されている選手が駒沢大のエース田沢廉です。大学3年生にして男子1万㍍の日本歴代2位の記録を持つトップランナー。彼を育てた恩師が、教え子との思い出を語ります。

 東京都立川市で開かれる立川シティハーフマラソンでは、40代、50代のカテゴリーで10度以上優勝したことがある。今でもトレーニングを欠かさない。筋金入りの現役ランナーだ。

 道ばたを見ると、一定の距離ごとに白い立て札がある。

 「コース沿いに100メートルごとに立てたんだ。直線で400メートルのタイムも計れる」と風張さん。草地でのランもそうだが、学校にあるグラウンドの狭いトラック以外でも効率的に練習するため、工夫を凝らす。

「小学生だけど、速い子がいる」

 風張さんと田沢の出会いは、田沢が中学入学の少し前、小学5年の冬だ。

 毎年、青森県内の各市町村が…

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