「楽になりたい」 洗剤を飲んだ慶大生は3年後、自転車で旅に出た

有料会員記事

佐藤瑞季
[PR]

 バスケットボールを抱えて、自転車で全国を旅する25歳の男性がいる。

 各地の学校を訪ねて一緒にバスケをしたあと、最後に必ずこう話す。

 「自分やまわりの人で、メンタルで悩んでいる人がいたら、いつでも連絡してください。自転車に乗った変なお兄さんが来てたなって覚えていてもらえるとうれしいです」

 男性は、原匠(たくみ)さん。自らも、うつ病と闘った経験がある。

 2018年3月11日。

 原さんは、自分の部屋にある液体を手当たり次第に飲み込んだ。死にたかったわけではない。現実から逃げ、「楽になりたかった」という。

 シャンプー、洗剤、漂白剤……。胃から何かが逆流する感覚があった。「まずい」と思ったときには、意識がぼやけ始めた。

 当時は慶応大学の3年生。就職活動の真っただ中で、説明会やインターンシップに精力的に参加していた。

 高校から私立に通い、公立に…

この記事は有料会員記事です。残り1375文字有料会員になると続きをお読みいただけます。