ビッグボスに影響受けた東海大・両角監督 箱根駅伝で掲げた目標は?

堀川貴弘
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 出雲駅伝で9位、全日本大学駅伝で12位と低迷している東海大は、箱根駅伝でめざす順位も総合6位と控えめだ。全日本の後に両角速(はやし)監督が選手に示した目標の下方修正には、今話題の“あの人”の影響があった。

 東海大は2019年に箱根と全日本を制し、箱根ではその後も2位、5位と安定した成績を残している。

 ただ今季は、昨季のメンバーから塩沢稀夕(きせき)、名取燎太、西田壮志の「3本柱」が卒業し、当初から苦戦が予想されていた。

 さらに、今年の箱根の3区で1年生ながら区間賞を奪ったエース石原翔太郎をけがで欠き、出雲と全日本は大苦戦。石原のけがは完治せず、箱根に向けた16人の登録メンバーからも外れた。

 両角監督が苦しい胸の内を明かす。

 「石原がいれば、箱根も当初の目標のまま3位でもいいんですけれど、石原がメンバーを外れたという現実の中で、ちょっと修正を加えたんです」

 新チーム発足以来、掲げてきた「3大駅伝3位以内」という目標の転換を強いられた。

 両角監督は、箱根での目標を6位に設定し、11月末の合宿で選手に伝えた。下方修正にはこんな人の影響もあった、と明かす。

 「出雲と全日本がああいう順位に終わって、そんな時にあの新庄ビッグボスが『目標はない』みたいなことを言ったでしょ。『ある程度シーズンを戦っていく中で、これくらいを目指そう』って」

 正確に言うと日本ハム新庄剛志監督は「優勝なんかいっさい目指しません。高い目標を持ちすぎると選手はうまくいかない。9月あたりで優勝を争ったていたら、さあ、目指そうぜって」と言ったのだが、両角監督は、高すぎる目標設定は選手を縛ることになるので臨機応変に、といった趣旨に共感した。

 6位という設定については「強そうなチームの頭数を数えて6位にしました。1万メートルの平均タイムは8番目だから、それでもずうずうしいけれど」。

 選手たちも下方修正には納得している。本間敬大(けいた)主将は言う。

 「出雲と全日本の結果を見ると、3位以内は厳しいと選手たちも思った。6位以内なら実現できると監督の意見とも合致しました」

 ただ、12月中旬の壮行会ではこんな場面もあった。

 「6位が目標です」と本間が壇上で言ったのに対し、東海大の山田清志学長が「6位じゃない。どこぞの政治家が『2位じゃダメなんですか』と言ったけど、(目指すのは)1位でしょ」と檄(げき)が飛んだ。

 本間は苦笑いして言う。

 「優勝を目標にできない悔しい思いはあるけれど、現状を見ると6位が適切なのかなと思います」

 「3本柱」も抜けて走力が劣るのは明らか。下級生の底上げをして、しっかり年以降につなげていくのがチームの課題だ。(堀川貴弘)