【写真まとめ】怒る労働者、空の商品棚 カメラが捉えたソ連崩壊①

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構成・中川仁樹
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 1991年12月、米国と並ぶ超大国だったソビエト社会主義連邦共和国(ソ連)が崩壊しました。急速に事態が進展するなか、朝日新聞カメラマンの谷川明生は崩壊前後に何度もソ連に足を運び、市民らの素顔を撮影しました。その写真とともに、当時の様子を振り返ります。

 クレムリンの頂上に翻っていた「赤い旗」が消えているのを見て、谷川はひざから崩れ落ちそうなぐらい驚いた。

 1991年12月25日夜。元ソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフの辞任演説からわずか数時間後だった。赤の広場には静かに雪が舞っていた。

 谷川はソ連崩壊の歴史的瞬間を記録するため、東京から派遣されていた。その最大の使命が、国家の象徴である「国旗」が降ろされる瞬間を写真に収めることだった。

 だが、ソ連崩壊の瞬間まで、事態は谷川の想像を超える速さで進展した。あの悔しさは、いまも谷川の心の中にくすぶっている。

 谷川がソ連を初めて訪れたのは91年2月。シベリア抑留者関連の取材だった。モスクワ中心部のホテルに到着して驚いた。部屋の冷蔵庫は空っぽで、歯ブラシなどもなかった。

 館内の店はすべて閉まり、両替所もやっていない。結局、同僚が持参したインスタントラーメンとはんぺんを部屋で食べるはめになった。

 それまで世界各国を飛び回り、直前には発展途上の中国に出張していた。外資系のホテルが立ち並び、食べ物は豊富にあった。

 そんな記憶を思い起こしなが…

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