山口FG解任劇 なぜ「裸の王様」に 日本流ガバナンスの死角

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編集委員・堀篭俊材
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 「地方銀行の雄」を揺るがしたトップ解任をめぐる騒動がようやく決着した。取締役会と対立していた山口フィナンシャルグループ(FG)の吉村猛前会長兼最高経営責任者(CEO)は、24日の臨時株主総会の前日に辞表を出し、約半年前までワンマン経営者として君臨した銀行を去った。孤立していった「裸の王様」が生まれた背景を探ると、日本流ガバナンスの死角がみえてくる。

 「あれだけ騒ぎを続けて前日に辞めるのか。会社は損害賠償を請求するべきだ」。24日、山口県下関市にある山口FGの本社で臨時株主総会があり、株主から怒りの声が飛んだ。無理もない。この日の総会は今年6月までCEOだった吉村氏を取締役から解任するために開かれたものだったからだ。

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 だが、前日の23日午後、久しぶりに山口FG本社に姿を見せた吉村氏は「辞任届を提出します」と応対した椋梨敬介社長に切り出した。最後は「あとは若い人たちに任せた」と言って立ち去ったという。

 関係者によると、山口FG社内に「吉村氏辞任」の情報が駆け巡ったのは、総会を2日後に控えた22日。それでも多くの社員は半信半疑だった。吉村氏が最近まで記者会見や複数のメディアのインタビューに登場し、徹底抗戦の構えを見せていたためだ。6月25日の臨時取締役会で会長とCEOを解任されたことに対し、吉村氏は「問答無用の闇討ちだ」と訴えていた。

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