酪農家「捨てるのはやりきれない」 北海道で生乳大量廃棄の危機

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佐藤亜季、松尾一郎、三木一哉、中沢滋人
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 新型コロナウイルスの影響で牛乳の外食需要が減り、冬休みで学校給食向けもなくなることから、牛乳の原料の生乳が年末年始に大量廃棄される懸念が出ている。ホクレン農業協同組合連合会(本所・札幌市)は28日、北海道では年末年始の大量廃棄は「避けられつつある」としたが、依然として警戒が必要だといい、酪農業界や行政は消費喚起策を相次いで打ち出している。(佐藤亜季、松尾一郎、三木一哉、中沢滋人)

廃棄「回避のめど立ちつつある」なお警戒

 酪農・乳業の業界団体「Jミルク」(東京)の10月時点の推計では、年末年始に全国で生乳約5千トンが廃棄される可能性がある。

 もともと年末年始は学校の冬休みや飲食業の休業で給食・外食向けの牛乳の需要が減る。今年はコロナ禍で飲食業向けの牛乳需要そのものが大きく減っており、大幅な供給超過になっている。生乳をバターなど乳製品に加工する工場の受け入れ能力にも限界があり、2006年以来の大量廃棄の懸念が出ている。

 北海道は全国の生乳生産の6割を占める。道内の2020年度の生乳生産量は前年度比1・9%増で、21年度も3%増の見通し。コロナ前は生乳需要が増えており、国が生産強化を打ち出していたためだ。

 しかしコロナ禍で状況は一変。このままでは大量廃棄につながりかねず、Jミルクなど関係団体は生産者に一時的な生乳出荷の抑制を、メーカーには積極的な販促活動を呼びかけた。

 道内の各農協などでつくる北海道農協酪農・畜産対策本部委員会は4日、22年度の道内の生乳生産を例年より低めの1%増にとどめる目標数値を決定。道内での生乳生産抑制は06年度以来16年ぶりとなる。

 こうした対応もあり、ホクレンの担当者は28日の会見で、道内では年末年始の廃棄は「回避できるめどが立ちつつある」とした。ただ、全国の乳製品工場がフル稼働することが前提だといい、「まだ油断はできない」とも強調している。

生産者「捨てるのはやりきれない」

 生産者を取り巻く環境は厳しさを増している。

 北海道鹿追町の「カントリーファーマーズ藤田牧場」の藤田大和(ひろかず)さん(30)は「コロナが原因で仕方がない面はあるが、これだけ苦労して搾っている生乳をそのまま捨てることになるのはやりきれない」と話す。

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