年の瀬の10万円給付、どう使いますか? 対象世帯に聞いてみた
コロナ禍の長期化を受けた18歳以下への10万円給付が、岡山県内でも始まった。27日から給付している岡山市など、政府の方針転換をふまえ年内現金一括に切り替えた自治体も多い。年の瀬の10万円、どう使いますか――。対象世帯に聞いた。
倉敷市は16日、年内に現金一括給付を開始する方針を表明した。小中高3人の子がいるパート従業員石井雅子さん(38)は方針をニュースで知り、ガッツポーズが出たという。「年末年始前の30万円、というまとまったお金はありがたい」
大半は中3長男の高校進学費にあて、残り数万円の使い方を家族で協議した。2年ほど遠ざかっている家族旅行に行きたいと子どもが望み、感染状況を見定めつつ年始、県内の温泉地に日帰りで行くことに。「暮らしに余裕ができ、年末年始が豊かになる」
岡山市北区の会社員の40代女性は、大学生の長女と高2の長男を育てている。金銭面で日々の生活はなんとか成り立っている。10万円は「お金の勉強」のため、長男に使い方を決めさせるという。
現金5万円、クーポン5万円の給付から現金一括となったことについて、速やかに届くとメリットを認める一方、「貯金に回りにくく、地元への経済効果も期待できるクーポンとの組み合わせがベストだったのでは」とも思う。対象も年齢などで区切らず、お金のかかる高校、大学生のいる世帯を優先して欲しかったという。
備前市の50代女性は高校生2人を1人で育てている。子の1人は19歳以上のため、給付は10万円のみ。コロナ禍ではバイトの時間が減らされ、月収入が半分に落ち込んだこともあった。一方、マスクや消毒液を買うため出費は増えた。
家計は厳しさを増し、光熱費を最大7万円滞納した時期もある。10万円は光熱費の支払いや食費にあてるしかない。やりくりして、本好きな子2人へ図書カードをクリスマスにプレゼントするのが精いっぱいだった。
10万円には「助かる。本当にありがたい」と感謝しつつ、「子は2人とも高校生なのに、なぜ給付は10万円だけ?」と疑問も覚える。子どものいない困窮世帯なども含め、「本当に困っている人たちを見定め、税金を使って欲しい」と国へ求めた。(吉川喬)

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