衆院選、自民が競り勝つ 「ギリギリの戦いだった」

2021衆院選

贄川俊
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 10月の衆院選は、立憲民主党共産党などの「野党統一候補」と自民党候補による戦いが注目され、埼玉県内では多くの選挙区で自民が競り勝つ結果となった。比例票をみても立憲は伸び悩んだ。一方、日本維新の会が勢いをみせ、比例復活ながらも、今の形となった維新の国会議員が県内で初めて誕生した。各党とも来夏の参院選に向けて動き出している。

 衆院選後、埼玉8区で当選した自民県連会長の柴山昌彦・元文科相は「野党の候補者一本化が脅威になったのは間違いない」と振り返った。

 自民は2017年の衆院選で県内15選挙区のうち13選挙区で勝利。今回は、共産が候補者を絞り、野党統一候補と対決する構図となったため、複数の選挙区で苦戦が見込まれていた。それでも、12選挙区で議席を獲得。比例復活を合わせると、今回も選挙区に出た15人全員が当選した。

 新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていたことも、与党に影響したようだ。比例の得票率は前回を上回り、連立を組む公明党は北関東ブロックで前回より一つ積み増して3議席を確保した。自民県連幹部は「ちょっとした要因の変化で結果が逆になった可能性もあった。ギリギリの戦いだった」と言う。

 一方、立憲は3選挙区で議席を得たものの、比例復活を含めても、公示前より1人少ない5人の当選にとどまった。比例の得票率は前回の旧立憲を下回り、共闘した共産も前回より下がった。選挙区で共産との協力度合いがまちまちだったのは事実で、終盤に自民が強めた「共闘批判」をはっきりとかわすことはできなかった。

 立憲県連幹部は「一番の問題は批判に耐えきれない地力のなさだ。風に左右されない組織をつくることこそが重要だ」と話す。朝日新聞の出口調査などでは、20~30代からの支持で自民に大きく水をあけられている実態が浮かび上がっており、若者への浸透も課題だとしている。

 こうした中、非自民で保守層の受け皿となった維新の躍進が目立った。候補者を出した4選挙区で軒並み票を伸ばし、結果的に県内から比例復活で2人の当選者を出した。国民民主党も1人が比例復活で当選した。

 来夏の参院選埼玉選挙区は改選数が1増えて4になる。改選を迎える自民の関口昌一氏(68)、公明の西田実仁氏(59)、無所属で前知事の上田清司氏(73)の3人は立候補を予定。

 自民県連は、地力をみせた衆院選の結果も踏まえ、2人目の公認候補を立てようと動いたが、「共倒れ」を懸念する党本部や、現職の擁立を決めている公明の反対などを受けて断念した経緯がある。自民県議の一人は「党勢拡大のチャンスだったのに」と残念がる。

 主要政党ではほかに、共産、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(N党)の新顔が立候補を表明している。立憲は候補者の擁立を検討しており、埼玉選挙区での共産との共闘はいったん保留になる。維新や国民民主党も候補者擁立を模索しており、激しい争いになりそうだ。贄川俊

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