「見初められる」シンデレラは怖い話? 村田沙耶香さんが考える恋愛

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聞き手・小峰健二
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 小説家の村田沙耶香さんは、恋愛相手がアニメのキャラであることが主流である世界や、性的接触をしないことを条件に結婚した夫婦など、「普通」の価値観を揺さぶる作品を描いてきた。その世界観は、初めて手がけた子ども向けの絵本『ぼくのポーポがこいをした』でも貫かれ、おばあちゃんとぬいぐるみが「結婚」するという物語を紡いだ。翻訳作品が海外でも注目される小説家が考える、現代的な恋愛や家族とは。

 ――村田さんが作を、イラストレーターの米増由香さんが絵を担当した『ぼくのポーポがこいをした』は岩崎書店が手がける「恋の絵本」シリーズの1作です。現代的な恋愛が主たるテーマとなっているようですが、どんな思いで物語をつくったのでしょうか。

 子どもの頃、ハッピーエンドの絵本に憧れる一方で、ヒロインが檻(おり)に閉じ込められているように感じられることがありました。「恋の絵本」シリーズの監修をなさっている瀧井朝世さんの、「好き」という素朴な感情を肯定しつつ、現代の感覚に響く恋の絵本があってもよいのではないか、というお言葉に共感し、初めての絵本の依頼をお受けしました。子どもの頃の自分に、こんな絵本を渡したら、「恋」というものをもっと柔らかく感じられたのではないかな、という気持ちでいろいろ想像しました。

 ――ぬいぐるみの「ポーポ」と「おばあちゃん」が「結婚」する物語ですが、無機物と人間の恋を描いているのがユニークです。子ども向けの絵本では、ヘテロセクシュアル(異性愛者)の恋が多い中、その設定はどう生まれたのでしょうか。

記事後半では、「普通」とされる価値観を鋭くえぐってきた村田さんが、幼少期から抱いていた違和感について語っています。

 すぐに、ぬいぐるみとおばあ…

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