元「サイバー大使」が語る中ロとの論戦 徳島の病院も被害、歯止めは

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佐藤達弥
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 突然、プリンターから「あなた方のデータは盗まれた」と英文で書かれた紙が大量に吐き出される。システムがダウンし、救急や新規の患者を受け入れられなくなる――。10月、徳島県の病院であった事件です。原因はコンピューターウイルスによるサイバー攻撃。5月には米国でパイプライン会社が攻撃され、操業が止まってガソリンスタンドに行列ができる事態も起きました。市民生活にも影響しかねないサイバー攻撃にどう対処するのか。無法者がはびこるサイバー空間で、少しずつでも国際的なルールをつくって歯止めにつなげようとする人たちがいます。

国連でつくる報告書、中ロも承認

●法的拘束力のない報告書、意味ある?

 今月6日、国連総会の本会議に26ページからなる報告書が出されました。タイトルは「国際安全保障の文脈におけるサイバー空間での国家による責任ある行動に関する政府専門家グループによる報告書」。舌をかみそうですが、国連事務総長が選んだ日本や米英仏ロ中の5大国を含む25カ国の外交官らが、サイバー攻撃を抑止するための国際ルールについてまとめた報告書です。本会議でこの報告書を「歓迎する」とした決議が採択され、中国やロシアも含め国連の全加盟国が承認した形になりました。

 報告書に法的な拘束力はあり…

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