真冬の巨大地震、避難所どうする めざすは「TKB」+「W」

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聞き手・角拓哉
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 もし真冬に大災害が起き、避難所で生活することになったら――。そんな最悪な状況を想定した泊まり込みの訓練がおこなわれた。キーワードは「TKB(トイレ、キッチン、ベッド)」、そして「W(暖かさ)」。北海道南部の自治体で防災対策を担う職員を中心に約200人が参加した。

 大きな被害が予想される日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震では真冬の避難が課題になっており、避難所の寒さ対策は急務だ。

 18日昼過ぎ、北海道北斗市の体育館。外は断続的に雪が降っていた。訓練想定は、厳冬期に災害が起き、電気や水道が止まったというもの。バスケットボールコートが二つ入るほどの館内の室温は約10度だった。

 午後1時半、参加者の受け付けが始まり、検温して発熱者を分ける「ゾーニング」の流れを確認した。石油ストーブ約10台と、屋外に二酸化炭素を排気するダクト付きの大型ヒーター2台がつくと、室温は15度前後に保たれるようになった。

 めざしたのは「TKB」の快適な避難所だ。

 トイレが汚れると、トイレに行かないように水を飲むのを控え、脱水症状になる危険性がある。栄養の偏った冷たい食事や、硬い寝床も健康を害し、災害関連死につながる。実際に全国で起きた災害の避難所運営から学んだ教訓ばかりだ。

 訓練ではトイレの水の使用が禁止され、携帯用トイレを使った。木古内町職員の工藤賢治さん(33)は「一度覚えてしまえば使い方は簡単。きれいなトイレだと行きやすくなり、感染症対策にもなる」。

 感染症対策とプライバシー保護のため館内にテントを張り、低体温症を防ぐのに効果があるとされる段ボールベッドや折りたたみの簡易ベッドを置いた。2階には女性専用スペースもつくった。一部のベッドには細いパイプをはわせて、電気自動車から給電して温めた液体を循環させた。

 深夜には外の気温はこの冬一番の寒さの零下8・3度に。19日未明には寒さを訴える女性が複数いた。

 18日の夕食と19日の朝食はキッチンカーで参加者が作った。夕食の献立はカレーライス、サラダ、コンソメスープ、オレンジゼリー。1食分の経費は400円ほど。北斗市職員の谷口すももさん(29)は「重ね着しても足元から冷えた。温かい食事があると、心も体もホッとする」と話した。

 訓練を企画した道危機対策課の三田輝明さん(40)は「凍える避難者を少しでも早く入れたいが、コロナ下での避難所運営にはより多くの手間と人数が必要。参加者は各自治体に課題を持ち帰り、備蓄品などのバージョンアップにつなげてほしい」と話した。

「極寒」それ自体ハザード

 訓練を監修した日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授(寒冷地防災)に、厳冬期の避難所の注意点について聞いた。

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 2018年9月の北海道胆振…

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