明石市が強制不妊救済の条例 「思い重なる」 被害弁護団の代表語る

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聞き手・森本美紀
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 兵庫県明石市議会が12月21日、旧優生保護法(1948~96年)の下で障害などを理由に不妊や中絶の手術を強いられた市民、その配偶者にそれぞれ300万円を支給する条例案を可決し、24日に施行されました。自治体が独自に被害者を救済する条例は異例で、同市によると全国初といいます。全国では、同法は違憲などとして、被害者が国に損害賠償などを求める訴訟が起きています。全国優生保護法被害弁護団共同代表の新里宏二弁護士に、条例が裁判に及ぼす影響などについて聞きました。

 ――明石市の「旧優生保護法被害者等の尊厳回復及び支援に関する条例」(略称:旧優生保護法被害者等支援条例)を、どのように受け止めていますか。

 優生思想の克服と、被害者の悲しみに寄り添い続けるという姿勢を示し、優生思想が今もなくなっていないことに焦点を当てていることがすばらしいと思います。条例の前文にはこう明記されています。「わたしたちが、社会が生み出した優生思想によって深く傷つけられた旧優生保護法被害者等に対し、その悲しみが続く限り寄り添い続ける」

 これは、旧優生保護法下で不妊手術や中絶手術を強いられ「人生を返してほしい」と訴えている全国の被害者の思いと重なります。

 国は2019年4月、一時金支給法(旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律)を施行し、認定者に320万円を支給しています。しかし、対象は不妊手術を受けた人のみで、請求期限も施行から5年と限定されています。

 一方、条例は、対象者に不妊手術を受けた人だけでなく、家族形成権を侵害された配偶者も加え、また、中絶手術を受けた人にも広げました。申請期限も限定しなかった。

 さらに、国の一時金支給の手…

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