ずぶ濡れ4歳児…国道にひとりぼっち 命守ってくれた2人に手紙届く

杉山あかり
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 土砂降りの中、傘も差さずに1人で国道を渡る小さな男の子。通りすがりの夫婦が声をかけると、雨に震え、靴は左右バラバラ。いったいどうしたのか――。当時4歳だった男児を保護した福岡県糸島市の夫婦に11月19日、糸島署が感謝状を贈った。贈呈式には男児が母親とともに参加し、夫婦に「ありがとうございました」と書いた手紙を手渡した。

 夫婦は、自営業の柿木貴志さん(30)と亜美さん(29)。2人は10月16日午後2時ごろ、長男と3人で買い物に車で向かっていたところ、目的の店に近い国道202号を1人で横切る男児を目撃。この日は土砂降りだったが、男児は傘を差していなかった。対向車線のタクシーにひかれそうになりながら店に向かうのを見て、「話しかけてみるか」と2人で話した。

 貴志さんが「どうしたと」と声をかけると、男児はずぶぬれで震えていたという。左右で違う靴を履いていたことなどから、付近に保護者がいないのではと考え、署に連絡。警察官が駆けつけるまでの間、店の前で、もっていたブランケットで男児をくるみ、乾かしたりさすったりした。男児は警察官に保護され、家族のもとに無事帰った。

 男児はほかの家族と家にいたが、外出した母親を追いかけて外に出てしまったという。

 貴志さんは「事件や事故にならずに良かった」、亜美さんは「元気な姿を見られて安心できた」と、男児との再会を喜んだ。有馬健一署長は「慈悲深い行動で、命を守ってくれた。感謝申し上げる」と話した。(杉山あかり)