東大の女子枠に女子が反対したわけ 上野千鶴子さん、逆差別が何か?
寄稿 社会学者の上野千鶴子さん
このところ理系に女性を増やせというのが至上命令となり、来年度には国立奈良女子大に初の工学部が新設されることになった。
女子と男子の偏差値分布は100%一致する。優秀な女子に活躍してもらわなければ先端科学分野における国際競争に勝てないし、事実、女性の加わった研究開発チームの特許の経済性が高いというデータもある。そういえば、メッセンジャーRNAを応用していちはやくコロナワクチンを開発したのは、カタリン・カリコというアメリカの移民女性だった。
工学部といえば、女子の大学進学率が上がっても、もっとも女子の少ない学部である。東京大学では一時工学部女子枠を作る計画が持ち上がったが、当の工学部女子たちの反対に出会って頓挫した。
なぜ女子学生たちは反対した…
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【提案】より公平な大学生男女比に近づけるために、クオータ制も女子枠も必要ない。大学入学審査を「試験ベース」から「試験込み」に変えるだけでもだいぶ是正できるはず。「男性生徒は試験が得意だが、女性生徒は学校の成績がいい」。この現象は多くの国で確認されて

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男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]