連載「それでも、あなたを」イスラエル・パレスチナ編②
【イスラエル・パレスチナ編①】「占領」と闘うユダヤ人弁護士、壁の向こうの彼から届いたメール
イスラエルで働くユダヤ人の人権派弁護士サリは、パレスチナ人研究者のオサマの留学の支援をします。4年後に留学が終わるころ、オサマからサリの元に連絡がきました。
「いや。妻とはもう、別れている」
2010年の冬。オサマの返事で、彼が離婚し、独身になっていることを初めて知った。
これまで、サリはオサマに、「既婚者」として一線を引いていた。
オサマの相談を詳しく聞くため、2人は会うことになった。
4年ぶりに、そして初めて2人で会う機会。サリは、週末の金曜日に会うことを提案した。平日は時間に追われているが、週末の金曜日ならゆっくり話せるはずだから。
2人はパレスチナ自治区ヨル…