東証1部最後の大納会 コロナ禍に揺られ、政局も響いた21年の相場
バブル期以来32年ぶりの年末高値で今年の取引を終えた東京証券取引所の大納会。新型コロナの感染拡大に揺さぶられながらも、世界的な金融緩和に下支えされた値動きの1年だった。来年は米国などで利上げへの動きが広がり、世界の緩和マネーが縮小へと向かう。東証は4月、いまの1部など市場の区分を見直して再出発する予定で、世界の投資家をひきつけられるかが問われる。
俳優吉沢亮さん、取引終了を告げる鐘
昨年に続き、感染対策で規模を縮小した大納会には、NHK大河ドラマで「日本資本主義の父」とされる渋沢栄一を演じた俳優吉沢亮さんが出席。取引終了を告げる鐘を鳴らした。
今年の相場も昨年に続きコロナ禍に翻弄(ほんろう)された。年初は世界でワクチン接種が進み始め、景気回復の期待も広がった。日経平均株価は2月に約30年6カ月ぶりの3万円台に。米主要企業でつくるダウ工業株平均も史上初の3万2千ドル台に乗り、世界で株高が進んだ。
日本はワクチン接種で出遅れ、年明け早々から緊急事態宣言が断続的に続いた。1年延期された東京五輪もほぼ無観客での開催。感染拡大と政権の支持率低迷が相まって株価は伸び悩み、8月20日には2万7013円の年初来安値をつけた。欧米で最高値更新が相次いだのとは対照的だった。
低迷打開のきっかけとなったのは「政局」だった。
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