府警幹部「全容は推定するしかなくなった」ビル放火殺人の容疑者死亡

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 大阪市北区のクリニックで25人が死亡した放火殺人事件で、重篤な状況が続いていた谷本盛雄容疑者(61)が30日、死亡した。大阪府警は捜査を続けているが、事情聴取ができないまま容疑者が死亡したことで、動機など事件の解明は困難になりそうだ。

 「これまで通り、動機を解明するために色々な捜査をする」。谷本容疑者の死亡を受け、府警捜査1課の幹部は30日夜、報道陣の取材に淡々と答えた。

 府警幹部の1人は朝日新聞の取材に、「動機を含めた事件の全容は推定するしかなくなった。今後、どうすればこうした事件を防げるか考えるためにも、(死亡は)残念」と話す。

 別の府警幹部は「事件後、重篤な状態が続いていた。供述に頼らない捜査をしており、捜査に大きな影響はない」とする一方、「被害者・遺族にも、本人の話を元に事件についてきちんと説明したかった」と話した。府警は容疑者死亡のまま書類送検する方針だが、この幹部は「送検内容で動機について説明するには今後、周辺を必死に捜査する必要がある」と言う。

 府警への取材で、谷本容疑者は事件時にクリニックで、二つしかない出入り口の両方に火を放ち、逃げ道を塞いだとみられている。さらに、出入り口に向かおうとする人に体当たりして奥に追い込むなど、強い殺意を持って事件を起こした可能性がある。

 大阪市西淀川区の滞在先の住宅からは、2019年7月の「京都アニメーション」放火殺人事件など複数の放火事件の新聞記事のほか、「放火」「殺人」などと書かれたメモも見つかった。ガソリンを11月下旬に目的を偽って入手するなど、府警は計画的に事件を起こしたとみている。

「事件を『終わったもの』とするべきではない」

 谷本容疑者は2011年4月、長男を出刃包丁で殺そうとしたとして府警に殺人未遂容疑で逮捕され、同年に大阪地裁で懲役4年の実刑判決を受けた。確定した判決は、谷本容疑者が「孤独感などから自殺を考えるように」なり、「死ぬのが怖くてなかなか自殺に踏み切れなかったため、誰かを殺せば死ねるのではないか」と考えた、と認定した。

 府警によると、今回の事件で…

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