石油・化学業界は「再編不可避」 加速する脱炭素、最大手も事業分離

有料会員記事

千葉卓朗 ロンドン=和気真也
[PR]

 世界的な脱炭素の流れを受け、石油や化学関連などの企業が事業を見直そうとしている。化石燃料に関わる事業を売却し、得た資金を再生可能エネルギーや水素といった新分野に投じるところがめだつ。2021年に日本企業が関わったM&A(合併・買収)の件数が過去最多になったのも、こうしたことが背景にある。

 21年のM&Aの件数には含まれないものの、将来の再編につながる動きもある。国内化学最大手の三菱ケミカルホールディングスは、石油化学事業と炭素事業を23年度をめどに分離すると昨年12月に発表した。

 石油化学事業はエチレンなどプラスチックの原料を、炭素事業は鉄鋼製品の原材料となるコークスを主につくる。いずれも重要な基礎原料で、三菱ケミカルにとって中核事業だ。

 石油化学事業は、岡山・水島地区と茨城・鹿島地区のコンビナートが国内の拠点。年間のエチレン生産量は国内最大規模の約73・3万トンだ。日本の重化学工業の基礎を担ってきたが、国際的な価格競争力が低下した。生産過程で大量の二酸化炭素が出るため、脱炭素に向けた巨額の設備投資も必要になる。炭素事業も石油化学事業と同じような課題を抱えていた。

 一方で石油化学製品の中でも、建物や液晶画面など幅広い用途で使われるアクリル樹脂原料の事業は拡大する。三菱ケミカルはこの分野で世界シェア約4割を握る。独自の生産技術を持っており、成長が見通せる注力事業に位置づけた。

 ジョンマーク・ギルソン社長は昨年12月の会見で「(石油化学・炭素事業は)日本では統合再編が避けられない。業界のリーダーとして統合をリードしていく」と述べた。(千葉卓朗)

欧米でも動き 「大事な進展」

 脱炭素をキーワードに企業が事業構造を変える動きは欧米でも進む。大手石油会社などは株主や環境団体の要望を受け、化石燃料関連の事業を売却し、資金を再生可能エネルギー事業に振り向け始めている。

 英BPは昨年2月、中東オマ…

この記事は有料会員記事です。残り436文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【7/11〆切】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら