「脱」目指す国々にも配慮? 原発活用、EU内でも立ち位置さまざま

有料会員記事

和気真也=ロンドン、新田哲史
[PR]

 欧州連合(EU)が、脱炭素に向けたエネルギーの選択肢として、原子力発電を活用する方針を示した。再生可能エネルギーに注力する方向性は変わらないが、原発に一定の役割を担わせるものだ。足元のエネルギー高も現実的な政策を後押ししたとみられる。

 EUでは原発について加盟国間で立ち位置が分かれている。東京電力福島第一原発事故を受けてドイツが「脱原発」を鮮明にした。オーストリアやスペインなども消極的だ。一方で、フランスは電源の約7割を原発に頼る。東欧でもハンガリーやチェコ、ルーマニアなど前向きなところもある。

 今回のEUの方針は原発を地球温暖化対策に役立つとしつつ、積極活用にかじを切ったわけではない。1日の発表文では原発や天然ガスの利用について、「再生可能エネルギーベースの未来への移行期においては役割がある」とする。過渡期における一時的な役割であることを強調し、消極的な国にも配慮した内容だ。

 地球温暖化対策をリードしたいEUは、2050年に温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にする目標を掲げる。電気自動車にも熱心で、脱炭素をてこに自動車産業の競争力を高めようとしている。域内には原発に関わる企業も複数あり、今回の方針をきっかけに投資を呼び込み、支援するねらいもありそうだ。

ベースロード電源」と位置づける日本

 欧州では電力需要を風力や太陽光発電だけでまかなえない現実に直面している。不足分を天然ガス発電などで補ったことでガス価格が高騰し、市民生活を圧迫した。ロシアからのガス供給を増やしてもらうこともできるが、安全保障上の問題もある。

 日本政府は原発を、安定して…

この記事は有料会員記事です。残り340文字有料会員になると続きをお読みいただけます。