スーダンのハムドク首相、辞任を発表 解任後の復職に批判相次ぐ
ヨハネスブルク=遠藤雄司
昨年10月にスーダン軍のクーデターによって一時解任され、その後復職した同国暫定政権のハムドク首相が2日、辞任すると発表した。国営通信が報じた。ハムドク氏に対しては、クーデターを引き起こした軍との間で首相への復職について合意したことをめぐり、国内で強い反発が起きていた。
軍がハムドク首相や文民出身の閣僚たちを拘束し、暫定政権の解散を発表したのは10月25日だった。国内ではこのクーデターに反発して大規模なデモが繰り返され、デモ隊は治安部隊と繰り返し衝突した。国連やアフリカ連合など国際社会も軍を強く批判した。
国内外の圧力が強まっていた11月21日、軍トップのブルハン統治評議会議長とハムドク氏は、ハムドク氏が首相に復帰することで合意した。しかし、この合意を認めれば軍のクーデターをも認めることになるとして、国内ではハムドク氏に対して「裏切りだ」などと批判が相次いでいた。
ハムドク氏が復職した後も抗議活動は収まらず、ロイター通信によると、治安部隊との衝突によってこれまでに少なくとも市民50人以上が犠牲になっている。(ヨハネスブルク=遠藤雄司)