連載「考」2022年の先へ
いまは珍しい屋内の土壁が、築年数の古さを感じさせる。
大阪府大東市の住宅街。長屋のようなつくりで、隣家と壁でつながる木造2階建て3DKで暮らす女性(81)は、家賃を必ず手渡しすることにしている。「もう年やし、歩くのはしんどい。受け取りに来てくれるのは、助かる」
2カ月分の家賃7万円を受けとった大家の松本知之さん(42)は「こっちも元気な顔をみると安心するわ」と、領収証のつづりにハンコを押した。
連載「考」 2022年の先へ
新しい年、そしてその先の未来に、経済社会はどこへ向かうのか。私たちに何が問われているのか。様々な分野で取材を重ねてきた経済記者たちが、テーマごとに現場を訪ねながら、コラム形式で考えます。
魚屋だった夫に10年前に先…