インドネシアが石炭輸出一時禁止 世界一の輸出国、電力不足に対応 

ジャカルタ=半田尚子
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 インドネシア政府は石炭の輸出を今月31日まで一時的に禁止すると発表した。国内の石炭火力発電所での需要が高まっており、自国への供給を優先する。世界最大の石炭輸出国であるインドネシアからの調達が難しくなることで、市場価格に影響する可能性もある。

 エネルギー・鉱物資源省などによると、インドネシアでは電力供給を安定させるため、石炭生産会社が年間生産量の25%を国内の電力会社に供給することを義務づけている。国内の石炭備蓄量が減っていることから、同省が1日に声明を発表し、「輸出禁止が強制されない場合、1万850メガワットの電力を供給する20の石炭火力発電所が停止に陥り、国家経済の安定に支障をきたすおそれがある」と説明した。政府は5日にこの措置を再評価する方針。

 ジョコ大統領は3日、「国内需要を満たす義務を果たせない企業は制裁の対象となる可能性がある」と発言した。

 インドネシアは世界最大の石炭輸出国。政府によると、2020年の輸出量は約4億トン。最大の輸出相手国の中国が約3割(約1・2億トン)を占め、インド、日本、韓国と続く。ロイター通信は3日、禁輸措置が続けば代替調達を模索するとのインドの石炭調達業者の見解を報じた。

 インドネシア政府は昨年8月にも、国内の石炭生産会社34社が供給義務を順守していないとして、輸出禁止の制裁措置を科した。(ジャカルタ=半田尚子)