「CO2削減には、再エネと原子力」 東電会長が年頭あいさつで強調
東京電力の小林喜光会長と小早川智明社長は4日、社員らに向けて年頭のあいさつをした。
東京の本社であいさつした小林会長は、地球温暖化による深刻な自然災害や未知のウイルスの発生が懸念されているとして、二酸化炭素(CO2)を出さない原発を活用していく考えを示した。「CO2削減に大きな役割を担うのは再生可能エネルギーと原子力だ」と強調した。
小林会長は、原子力を活用していくためには東電への信頼回復が最優先の課題だとも指摘。柏崎刈羽原発7号機(新潟県)の再稼働と福島第一原発の処理水の処分に向け、「関係者との対話を通じ、準備に万全を期してほしい」と訴えた。
一方、小早川社長は、福島第一原発で社員ら約150人を前に「当社が地域のみなさまから信頼され、一体となって復興と廃炉に取り組む姿をめざす」とあいさつした。
福島第一原発では昨年、故障した地震計の放置や多核種除去設備(ALPS)建屋内での排気フィルターの破損隠しなど不祥事の発覚が相次いだ。小早川社長は報道陣の取材に「地域の皆さまにご心配をおかけした」と述べた。「設備の故障や人のミスが起こりうることを念頭に置いて、業務を見直すことが重要だ。ミスが発生しても大ごとにならない体制を整えているところだ」と説明した。(福地慶太郎)
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