英国で4日、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染の報告が初めて20万人を超え、一昨年のパンデミック開始以来で最多記録を更新した。オミクロン株の影響で先月中旬ごろから感染者が急増し、医療現場の逼迫(ひっぱく)が懸念されているが、ジョンソン首相は現時点では規制強化する方針がないと明らかにした。
新型コロナ全体の1日当たりの新規感染の報告は昨年12月22日以降に連日10万人超となり、今月4日に21万8724人を記録した。4日の報告には、一部地域で年始休暇の数日分が含まれている。
ジョンソン首相は4日の会見で、イングランドでは「オミクロン株の波を更なる規制強化やロックダウン(都市封鎖)をすることなく乗り切れる可能性が高い」と述べた。ワクチンの効果によって重症患者数を抑え込むことで、「私たちは学校とビジネスを(閉鎖することなく)守り、このウイルスと共存する道を見つけることができる」と強調した。
一方で、政府は同日、在宅勤務ができない、社会基盤を支える職場での感染爆発を防ぐためとして、公共交通機関や食料加工場、国境警備、警察などで働く10万人に出勤前の迅速検査を準備する、と発表した。感染での欠勤者が相次ぎ、社会基盤が回らなくなる懸念が高まっているためだ。
4日のイングランドでの入院患者数は1万5千人ほどまで増えているが、ピークだった昨年1月の3万4千人超は下回っている。(ロンドン=金成隆一)
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