イスラエルで最大の港がある北部ハイファに、中国系企業が運営する新たな港が完成した。イスラエルで進む中国によるインフラ開発の一つだ。米中の対立が深まるなか、イスラエルや米国で波紋を呼んできた港を訪ねた。(ハイファ=清宮涼)
米艦隊が寄港する港、すぐ近くに
昨年10月下旬、取材の許可を得て、新たに完成したハイファの港に入った。漢字で「上海集団」と書かれた赤色の巨大なクレーンが並ぶ。人の姿は一切見えないなか、クレーンがコンテナを船に積み込んでいった。
運営するのは、中国の上海港を運航する中国政府系企業「上海国際集団」(SIPG)のイスラエル現地法人だ。
「世界でも最大級のクレーンで、ほとんどが自動化されています」
同社で広報を担当するイスラエル人のヨアブ・ズッカーマン氏が胸を張った。
建物の内部では、イスラエル人の従業員がモニターに向かい、クレーンを遠隔で操作していた。約70人の従業員のうち、多数をイスラエル人が占めるという。
現地法人のCEO(最高経営…