第7回生理は「痛いの普通」「みんな我慢」→誤解です 大学病院に専門外来

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中井なつみ
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 昨年7月、東邦大学医療センター大橋病院(東京都目黒区)に新たな専門外来ができた。

 「月経困難症(生理痛)専門外来」。月経に関する症状全般を診ることを前面に掲げた、大学病院規模ではあまり耳慣れない外来だ。

 開設に奔走したのは、産婦人科医の高橋怜奈さん。診療の中で感じたある危機感から独自の活動を始め、そこで感じた当事者たちの知識不足と、悩みを受け止める場所の乏しさに突き動かされた。

 話は5年ほど前にさかのぼる。

 子宮頸(けい)がんに悩む患者たちを見る一方で、生理痛やおりものの異常で受診した患者に子宮頸がん検診の話をするとこんな声が返ってくることが多かった。

 「子宮頸がん検診は受けたことがない」「まだ症状もないから検査をしなくても大丈夫ですよね」。婦人科に来ている女性でも、少なくない人がそのような認識だった。

 子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状が出ない病気だ。高橋さんも研修医のときから、若くしてがんになった当事者の苦しさを見てきた。

 だが一般にはまだ、正確な知識や、こうした状況が共有されていないと感じた。正しい情報に接することができれば、苦しむ人を減らせるのでは。診察だけが医師の仕事じゃない――。

 そんな思いから、ツイッターやTikTokといったインターネットのツールを使い、個人で情報発信を始めた。2年ほど前からは、「産婦人科医YouTuber」としても活動している。

月経のある女性が平均して約35年も付き合わざるを得ない生理。「個人の問題」として扱われ、正しい情報を得にくいまま当事者が自己解決せざるをえないことも多かった生理をめぐる現状を変えている力の一つは、その当事者たち自身の気付きと行動です。学校やテレビ制作、病院の現場での動きを取材しました。

 扱うテーマは、子宮頸がんの…

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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2022年1月17日9時39分 投稿
    【視点】

    国際協力NGOプラン・インターナショナル・ジャパンが2021年に公表した生理の貧困に関する調査では、アンケートに回答した15~24歳の女性2000名のうち初潮を迎えたときの対処方法や生理に関する相談をする相手として「母親」を挙げる人が10人