児童19人の小学校の校庭 父親たちが夜通しで作るスケートリンク

中沢滋人
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 道東の冬の風物詩、小学校校庭でのスケートリンク造りが、十勝地方でやっと本格化してきた。12月の作業開始が定番だったが、ここ数年は少雪の影響で全般的に遅れている。北海道音更町の西中音更小学校(山本裕之校長、児童数19人)でも、年が明けた今月3日から造成が始まった。

 5日早朝もPTAの父親たちが、タンクを積んだトラックで1周200メートルのコースを何度も周回し、水をまく作業を続けていた。最近では、造成を業者に委託する学校も多いが、同校ではPTAの父親たちが担当している。

 作業は校庭の雪を踏み固めて土台を作るところから始まる。今年は積雪を待ったため、昨年より4日遅いスタートとなった。数日かけて、冷え込みの厳しい午後8時~午前8時の間に、11人が3班4時間交代で散水する。

 氷が十分張ったところで、表面を重機のホイールローダーで削ってならす。最後にトラックで水を含ませたネットをひっぱり、薄い氷を張って完成だ。気温が高い時に水をまく量が多いと、凍らなくなる。水量の調整や散水のコース取りなど、難しい面も多いという。こうした技術は代々引き継がれてきた。

 山本校長は「何校も赴任してきたが、ここのリンクはデコボコが無く、鏡張りのよう。精度が違う」と絶賛。外周コースの幅が約25メートルもあり、中央部分にも広く氷が張られているため、初心者から上級者まで、思いっきり滑ることができるという。

 PTA会長の田辺典志さん(42)は「自分たちも子どもの時から当たり前のように滑ってきたリンク。大変ですけど、自分たちの親がしてくれたように、子どもたちのために頑張っています」と話した。

 同町に隣接する帯広市の教育委員会によると、今年も少雪のため、市中心部ではまだリンクの造成作業が始まっていない学校もあるという。(中沢滋人)