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国税、Jリーグ外国人選手から3千万円を徴収 来日前に韓国で滞納 

中野浩至
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 サッカーJリーグの外国人選手2人(いずれも退団)が来日前に韓国で滞納した税金約3千万円を、関東信越国税局が徴収していたことがわかった。2人は韓国プロリーグ在籍時に税金を滞納したが、韓国の税務当局が徴収しようとした際、すでにJリーグに移籍していた。このため、韓国の税務当局が日本の国税庁に徴収を要請していた。

 2人はブラジル出身で2017~20年、それぞれJリーグの別のチームに所属。うち1人はJ1でも活躍していた。2人が所属していた2チームはいずれも取材に事実関係を認めた。

 関係者によると、2人がJリーグに移籍後、韓国国内には差し押さえる資産がなかった。このため韓国当局は国際ルールの「徴収共助」に基づき、国税庁を通じて2人の所属チームがある地域を管轄する関東信越国税局に徴収を依頼。同国税局はチームが支払う報酬の一部を差し押さえたり、チームを通じて納付を促したりして徴収し、韓国当局に送金した。徴収は昨年1月までに終えたという。

 徴収共助をめぐっては、日本は昨年12月現在、77カ国・地域と条約を締結。韓国も批准しているため、今回のケースでは日韓両当局の協力で徴収に至ったが、中国やシンガポールなど条約を結んでいない国も多い。国税OBの三木信博税理士は「徴税の実効性を高めるためには共助制度は強力な武器になる。スポーツ選手に限らず、人材の国際間移動は活発化しており、条約を結ぶ国が広がることが期待される」と話す。中野浩至