賃上げ企業は公共事業の入札評価に加点 5~10%、政府が来春から

伊沢友之
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 政府は、4月以降に契約する物品やサービスの購入、公共事業などの入札において、賃上げを約束した企業の評価を5~10%程度、上乗せして優遇する仕組みを始める。「分配」を掲げる岸田政権にとって賃上げは主要テーマの一つで、政府調達にも動機付けする仕組みを入れる。

 岸田文雄首相の肝いりで立ち上げられた「新しい資本主義実現会議」(議長=首相)が昨年11月、賃上げを行う企業から優先的に調達するなどの見直しを検討するよう提言していた。政府調達の制度を担う財務省が具体的な要件などをつくり、昨年12月17日付で各省庁に対して通知した。

 対象となるのは、入札額のほかに工事の質や技術提案なども評価する「総合評価落札制度」で行うすべての調達。前年または前年度と比べ、大企業で「3%以上」、中小企業で「1・5%以上」の賃上げを2022年または22年度中に行った企業について評価を5~10%上乗せする。優遇を受けたい企業は、従業員の代表者と一緒に確認、署名した賃上げ計画表明の書類を入札時に提出する手順が必要となる。

 実際に賃上げが行われたかは、企業が税務署に提出する「法人事業概況説明書」で確認する。事後に要件を満たしていなかったことが分かった場合は、その後の入札で加点した以上に大きく減点するという。

 財務省によると、20年度の政府調達額は約10・7兆円。これに当てはめた場合、全体の40%近い約4・2兆円分が優遇措置の適用対象で、随意契約を除いた競争契約の案件に限ると75%を占めるという。(伊沢友之)