「マグロに選ばれた」 初競り最高値を釣った大間の漁師、40分格闘

安田琢典
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 東京都江東区豊洲市場で5日、初競りが行われ、青森県大間町で水揚げされた「大間マグロ」が今年も最高値にあたる「一番マグロ」に輝いた。菊池一夫さん(52)が操舵(そうだ)する「第38大運丸」(9・7トン)のはえ縄にかかった211キロ(水揚げ時は207キロ)の大物には、1688万円(1キロ当たり8万円)もの値がついた。大間産が一番マグロになるのは11年連続。

 漁師歴25年の菊池さんが、自身初となる一番マグロを釣り上げたのは昨年12月30日午前9時ごろ。大間漁港から3時間ほど沖合に出た津軽海峡で、えさのイカに食いついた。

 「最初は手応えから140~150キロくらいかと思った」と振り返る菊池さんは40分ほど格闘した後、見事に巨大なマグロを釣り上げた。「腹の太さを見て、これはいけたかな」と一番マグロの期待を抱いたという。

 実は、同30日に漁に出るのは「既におなかがいっぱいで、あまり気乗りがしなかった」。今季は絶好調で、同17日に自己記録となる345キロ、同24日には190キロの大物をそれぞれ釣り上げたばかりだったからだ。

 初競り直後からお祝いの電話が鳴りやまず、自宅で報道陣に囲まれた菊池さんは「マグロに選ばれたのだろう。うれしくて言葉が出てこない」と感無量の表情を浮かべた。

 大間漁協によると、年末から今月4日にかけて、計20本のマグロが豊洲市場に運ばれた。2019年の初競りでは、大間マグロに3億3360万円(1キロ当たり120万円)の史上最高値がついた。コロナ禍による外食産業の低迷などを受け、21年の一番マグロは2084万円(同10万円)に落ち着いていた。(安田琢典)