大阪・吉村知事「全員入院、もう成り立たない」 オミクロン株拡大で
大阪府は5日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者について、全員を入院としていた対応を見直し、重症化リスクの低い人は原則として宿泊療養とすることを決めた。吉村洋文知事は「市中感染が見られてからここに至るまでの感染速度が速い。第6波の入り口に入った」との認識を示した。
府の全員入院見直しは、岸田文雄首相の4日の表明を受けて決定した。府内では5日までに計153人のオミクロン株感染が確認された。府としても、全員入院を続ければ、病床が逼迫(ひっぱく)すると判断したという。吉村知事は記者団に「全員入院しているのが現状だが、今の感染拡大のスピードからして、それはもうほぼ成り立たない」と語った。
府は、オミクロン株感染者のうち65歳未満で軽症、無症状の人や重症化のリスクの低い人には、看護師が常駐する宿泊施設で療養してもらう。個室での対応が可能な病床を約750床確保しているが、全員入院を続けた場合、3週間後には使用率が50%を超えると想定しているという。
濃厚接触者については、これまで宿泊施設での待機を求めていたが、原則自宅待機に転換する。
府は宿泊療養施設を14日までに35カ所、計約1万室確保し、受け入れ態勢を整えるという。これまで濃厚接触者や帰国待機者向けに運用していた施設は、感染者用に切り替える。それでも施設が足りなくなった場合は、大阪市の国際展示場「インテックス大阪」に整備した1千床の大規模医療・療養センターを稼働させる可能性もあるという。
また、府教育庁は5日、新学期を迎えるにあたって感染対策の徹底などを求める通知を府立学校や市町村の教育委員会に出した。部活動の停止までは求めていない。(浅沼愛)
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