工業団地でサーモン養殖 商社から転身した最高執行責任者の危機感

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竹中美貴
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 カップ型の食器の上部を覆うパンを崩すと、オレンジ色のふんわりとした身がスープに浮かんでいる。ホテルニューオータニ(東京)のレストラン「ベッラ・ヴィスタ」が、提供しているメニューだ。メイン食材に使われるのは、木更津市内で陸上養殖された「おかそだち」というブランド名のサーモンだ。

 ホテル側が、SDGs(持続可能な開発目標)の理念にかなう食材を探していて、おかそだちと出会った。レストランの料理長は「未来の食文化を創造する理念と、海洋資源の改善に向けた取り組みに感銘した」と話す。

 国内で1年間に20万トンも消費されている養殖サーモン。そのうち9割は輸入に頼る。世界的な人口増や和食文化の広がりで、今後さらに需要は増えると予想される。そのような中、国内で安定供給できる陸上養殖が注目を集め始めている。

 手がけるのは「FRDジャパン」。木更津市でサーモン養殖に乗り出したきっかけは、最高執行責任者・十河哲郎(37)の商社時代の経験だった。

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 三井物産に勤めていた十河は、入社から約6年後、グループの食料専門商社に出向。チリやノルウェーなどの海外に、サーモンを直接買い付けに行くようになった。そこで大規模な養殖産業による、環境への負荷を目の当たりにした。

 海面養殖では魚のふんは海に…

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